企業の横暴・不正とネットリテラシー

企業の横暴不正とネットリテラシー

 

ここ最近、育休や育児関連のフレックス制度を使用した後に、会社から嫌がらせを受けたという報告が大小含めていくつか上がっている。復帰後に転勤を命ぜられたり、減給措置を取られたそうで、嫌がらせを受けてたとされているのはいずれも男性社員だ。

 

こうした告発とそれに伴うバッシングを見ていて思うのだが、こうした企業はインターネットを甘く見ていると思う。

 

今はもう過去のようにはいかない。『ただの個人に抵抗力も告発力も拡散力もあるわけがない』といって、好き勝手なリンチや悪徳が通用する時代ではなく、社員をただの無力な個人だからといって迫害していると、思わぬしっぺ返しを食らい、今回の某社のように株価が下落する。

 

あの件に関してはもう揉み消しできない上に、対応の雑さが余計に火を煽っているという状況。"不幸な偶然" で済ませられていれば良かったのだろうが、復職後に猶予も無く問答無用で転勤を命じ、退職時の有給取得を認めないのが通常と公言するだなんて、報復云々は抜きにしてもアレが平時の対応であるほうがなおさらヤバいと思うわけで、結局のところどっちに転んでも叩かれるという墓穴を掘っている。

 

  • 報復で飛ばしました → 世間『パタハラ(パタニティ・ハラスメント)をするぶりぶり企業!』

 

  • 報復ではなく通常の人事です → 世間『急な転勤人事+退職前の有給拒否+会社で退職日指定という横暴がスタンダードのぶりぶり企業!』

 

 

コンプライアンス違反で間接的バカッター

未だに社員へ意地悪や権利侵害をしている企業は、インターネットの恐ろしさを理解していない。おそらくはネットリテラシーの無い私のような古臭い人間が多いのだろう。悪評や内部告発がインターネットに出回るとどうなるのかを理解していない。

 

今は面接でセクハラや圧迫をしても世間に露呈するし、産地や強度の偽装・リコール隠しでも内部告発で露呈するし、社員に嫌がらせをしても露呈するし、労働基準法を守らなくても露呈するし、不当な解雇をしても露呈するし、社員がアンポンタンだと職務中のバカッター自滅で炎上する。

 

しかも、今は過去よりも人権意識が高まっているため、自分が不当に虐げられたと感じた者は声を上げやすくなっている。泣き寝入りする人は昔ほど多くないはずだ。

 

それに加えて、先日の俎上に上がった終身雇用の終焉。終身雇用無き今となっては、従業員は会社に忠誠を誓う特別の理由も無く、会社からの理不尽に耐える動機付けも弱くなるため、社員は嫌なものを嫌と糾弾しやすくなっていくと思われるし、会社の非道はわりかし遠慮なく暴露されてしまうだろう。会社が社員を守らないということは、社員も会社をかばわないということだ。これぞお互い様。

 

 

また、昨今は企業の広告やテレビCMで炎上するケースも後を絶たない。 これらを売名目的であえてやっている可能性も否定できないものの、時流を読んだ上で地雷を予知できずに炎上するあたり、ネットリテラシー的にどうなんだという疑問は湧いて出る。ちゃんとツイッターを見て、フェミちゃんやママたちの地雷をチェックしておかないと炎上してしまうというのに。男性下げCM(『パパくさ~い』とか)は喜ばれるけど、女性の気分を損ねる表現は "時代錯誤" として排除されてしまう。ヤバいわよ。

 

ヤバイわよ

 

私は趣味でブログをやっているものだから、仮にブログが炎上しようがわりとどうでもいいけれど、企業の炎上は株価や消費者の購買意欲(ブランド力)およびネームバリューの低下に直結するため、死活問題としてシャレにならないはずだ。

 

 

一流の大企業はこうしたネットの脅威を理解およびケアできているだろうが*1、幹部がお爺ちゃんだらけでネットのネの字も理解していない固着した企業は、今後もいろいろとコンプライアンス違反のやらかしが露呈していくものと思われる。『これくらいなら問題にはならないだろう』と高を括っていると、いずれ酬いを受けるし、都合で社員をいじめているとSNSテロで告発され悪評が付く。

 

今回のカ〇カの件はともかくとして、ガチでネットに疎そうな企業はHPが無かったり、インターフェースやデザインが阿部寛の爆速HP並に質素だから、だいたい察しが付かないこともない。上層部や広報がネットを軽視しているからそうなるのだと思うし、ネットのご時世にHPを用意しない企業なんて、おおかた体質も古臭いに決まっている*2

 

一方、まともな企業は時代に即してHPをビシッと決めているものだ。(HPが良いからまともな企業であるという意味ではないし、その逆も然り)

 

 

これまでは社員やバイトといった労働者側のリテラシーばかりが問われていたものの、実際は労働者と同等以上に企業のネットリテラシーも問われていると言える。『これを告発されたらどうなるのか』『従業員にSNSテロされないだろうか』というリスクマネジメントだ。したがって、今後は "社員がネットに不満をぶち撒けないように公正な環境を管理する" というネットリテラシーの延長が求められる。社員のSNSテロ予防を含めての総合的な企業経営。

 

今後は社員をモノ扱いして舐めた真似をしていると、報復としてネットに晒されてしまうことになるだろう。実際問題として資本家からすれば社員はモノだろうが、今となっては過去のように権利の侵害が易々とまかり通る時代ではなく、思いもよらずして社畜やバイトに背中を刺されることもあり得る。

 

ともすれば、今後の時代は労基や労働組合・ユニオンなどが企業悪徳の抑止力になるのではなく、世間一般こそが企業の違反や悪徳を糾弾し、是正を迫るようになっていくのかもしれない。

*1:トヨタやグリコも広告で炎上していたけども

*2:取引先が固定の企業はHPを持つ必要性はあまり無いが